「AnyWireASLINK」上位コントローラからセンサの状態を遠隔監視、稼働率向上・工数削減・省スペース化を実現する省配線システム


AnyWireASLINK(エニイワイヤ・アズリンク)は、様々な機能を持った「デジタルリンクセンサ」です。上位コントローラと末端を密接に結合させ「稼働率向上」「工数削減」に貢献し、ターミナルの小型化が「省スペース化」を実現します。これまでのAnyWire 省配線システムの優位性や特長をすべて継承した上で、様々な付加価値をプラスした画期的な省配線システムです。
まずは、AnyWire省配線の特長を簡単にご紹介します。
AnyWire省配線の特長
2芯での伝送
電源重畳方式を採用し、2線式(非絶縁)タイプのターミナルを使用して電源と信号を2芯で伝送することができます。負荷側の電流容量が大きい場合には電源を別途用意することで、ローカル給電が可能な4線式(絶縁)タイプのターミナルを選択することもできます。また、これら2種類のターミナルを混在させたシステムの構築も可能です。
伝送媒体(電線)を選びません(フリーケーブル)
汎用キャブタイヤケーブルが使用できます。予備電線や既設電線でも、電線径が使用条件範囲内であれば、ノイズ耐性の高いAnyWireASLINK システムはそのままお使いいただけます。汎用キャブタイヤケーブル用のリンクコネクタ(4極用のみ)もご用意しています。
※ご使用に関する詳細は別途お問い合わせください。
分岐制限がありません(トポロジーフリー)
柔軟な分岐・接続が可能です。分岐方法の指定や各ターミナル間の最小距離などといった細かい規定はなく、T 分岐、マルチドロップ、スター、ツリーなど様々な配線方法がお選びいただけ、またこれらの方式を混在しても全く問題ありません。
※トラブルの際などの切り離しを容易にするため、T 分岐での配線を推奨します。
※安定した伝送のため分岐段数はなるべく少なく(10 段以下)することを推奨します。
かんたん接続・かんたん分岐
AnyWireのリンクコネクタは従来にない使い勝手を実現します。
- 圧接なので電線の途中からでも分岐できる
- 電線を切らない/被覆を剥がないのでゴミが出ない
- オス/メスの区別がなく同じ型式で分かりやすい
高いノイズ耐性
①伝送電圧が違う・・・一般的なDC5V に対してDC24V。ノイズに対するマージンが高く取れます。
②伝送クロック周波数が違う・・・一般的な3 ~ 10Mbps 程度に対して27kHz。ノイズに対して十分に大きいクロック幅で影響を受けにくくしています。
AnyWireASLINKのコンセプト
上記の省配線の特長に加えて、AnyWireASLINKシステムにプラスされたのが、I/Oターミナルの進化によって実現した「革診的省配線」と、省配線にセンサを取り込んだ「診化」によって実現した「センサの診える化」とのことですが、一体どういうことなのかご紹介してまいります。
革診的省配線
「さらなる小型化」ここまできたI/Oターミナルの小型化
AnyWireASLINKシステムには、汎用入出力機器をAnyWireASLINK伝送ラインに直結させる機器として、1点、2点からの分散が可能な指先サイズの小型I/Oターミナル「ASLINKER(アズリンカ)」や、従来タイプと比較して体積比約1/3 のコンパクトサイズを実現した端子台タイプの8 点ターミナル「ASLINKTERMINAL(アズリンクターミナル)」など、さらなる小型化で中継BOXレス化を推進する特長的な製品が揃っています。
「センサケーブル断線検知」センサの未検知・断線がすぐに分かる!
従来のI/Oターミナルでは、センサが未検知状態なのか?センサそのものの故障、または断線なのか?現場に行き、場所を特定し断線箇所やセンサを確認していく必要がありましたが、AnyWireASLINKシステムは、接続センサケーブルの「断線検知機能」の搭載により、上位コントローラからの遠隔監視が可能になり、断線したセンサの特定も簡単になりました。
センサの診える化
「センシングレベル監視」ON/OFFだけでなく、実測値が診える
一般的なON/OFF動作の光電センサなどでは、余裕のあるONなのか、注意が必要なギリギリのONなのか、実際にはわかりません。
デジタルリンク機能を内蔵している「ASLINKSENSOR(アズリンクセンサ)」は、センサのON/OFFだけでなく、センシングレベルそのものを監視でき、「ちょこ停」を未然に防ぐことができます。
さらに任意アドレスセンシングレベル表示ユニット「ASLINKMONITOR(アズリンクモニタ)」を使用すれば、現場での実測値の確認も可能になります。
「センサ感度・しきい値などの設定」感度設定の一括変更、しきい値の微調整が可能
センサの感度設定やしきい値などの調整は、ひとつずつ現場で作業するのが当たり前でしたが、「ASLINKSENSOR」では、すべてセンサの一括設定変更が上位から操作可能です。
設定値の保存もできるので、段取り替え時などのダウンタイムを最小限に抑えられます。また、しきい値の調整による「ちょこ停」を未然に防止でき、メンテナンス時期をコントロールすることが可能です。
AnyWireASLINK事例
I/O ターミナルの小型化によるスペース効率の向上
Before
交換式の治具を使用。設計の工夫により小型化を図っているが、中継Boxがかさばり思うように小さくならない。ワークの多品種化に対応するため、設計の自由度も必要で、軽量化による省エネも同時に実現したい。
After
ASLINKERは、中継コネクタに匹敵する超小型のターミナルです。シリンダにASLINKERを直接取り付け、センサ配線用の中継Boxを廃止、小型化と軽量化を実現します。
- 設計の自由UP
- 治具サイズ約1/3縮小・軽量化
- 故障時の復旧が容易に
センサケーブルの断線検知機能で原因究明
Before
所定のタイミングでONするはずのID(アドレス)がONにならず装置停止。
センサ故障? 機構部故障?ターミナル故障?配線切れ?なのか、センサがOFF状態の原因は様々でコントローラ側では判別ができない。人力での確認、点検が必須で原因究明に多くの時間を費やすこととなる。
After
ASLINKERに搭載のセンサケーブル断線検知機能で、原因究明に費やす時間を大幅に削減できます。GOTを併用することでモニタリングも容易になり、視認性の高い監視システムを構築可能です。
- 原因究明の時間短縮
- 装置停止時間短縮→稼働率向上
- 保守工数削減
センシングレベル監視で予防保全
Before
一般的なセンサはしきい値を境にONとOFFだけを判定して信号を出力。そのため、実際のセンシングレベルの低下(光軸ズレや汚れの付着などによる)などは感知することができず、あるときセンシングレベルがしきい値を下回った時点で突然動作をしなくなる。
After
ASLINKSENSORはセンサのセンシングレベルを常に監視しています。センシングレベルはデジタルデータ化されて上位コントローラに送られ、GOTでモニタできるため「センサがONしなくなる前」に交換、調整、清掃などの予防的措置を採ることができます。
- センシングレベルの把握
- システムの緊急停止防止
- GOTによるモニタも可能
センサ感度設定機能で調整工数を大幅削減
Before
一般的に各センサの感度設定や、トレーサビリティ確保のための設定値の記録は、現在でも人手を使ってセンサ毎に手作業で行っている。そのため、数時間に渡る膨大な工数を要していた。
After
ASLINKAMP、ASLINKSENSORは、上位からセンシングレベルの調整が可能で、現在の設定値をそのまま保存することもできます。反対に、保存された設定値を各センサに反映させることも可能で、大幅な工数削減が可能です。また、しきい値の調整によってチョコ停を防止し、メンテナンス時期をコントロールすることも可能です。
- 調整工数の削減
- 設定値記録作業の削減
- 一括/個別設定も自在
AnyWireASLINK製品構成
iQSS対応
AnyWireASLINKは三菱電機iQSSに対応しているアプリケーションです。シーケンサ、GOTなど総合的なアプリケーションとセンサ制御をシームレスに結合します。
※iQSS(iQ Sensor Solution):三菱電機のFA統合コンセプトiQ Platformに、センサを統合。センサとシーケンサ・表示器・エンジニアリング環境の連携をより一層強化した、お客様のTCO削減を実現するソリューションです。
e-F@ctory対応
三菱電機e-F@ctoryとの連携により、遠隔地の端末から末端の1bitまでを「見える化」&「診える化」し、シーケンサとセンサの新しい関係を実現します。
AnyWireASLINKは高木商会へ
いかがでしたでしょうか。
AnyWireASLINKシステムの特長でもある省配線による省スペースを実現しながら、センサの状態を監視することで、これまで原因究明のためにかけていた時間や装置の停止時間を短縮し、稼働率向上、工数削減にも貢献できます。センサ制御の各種課題をAnyWireASLINKシステムで解決してはいかがでしょうか。
出典
※株式会社エニイワイヤ カタログ「AnyWireASLINK system」2017年5月版
※株式会社エニイワイヤ Webサイト「AnyWireASLINK」紹介ページ