最大150mmの距離から小さなコードを読み取る固定式2次元コードスキャナ「WB2F形」


今回は、IDECの固定式2次元コードスキャナ「WB2F形」をご紹介します。自動認識機器の自社開発製品第2弾となります。
開発の背景
FA(ファクトリー・オートメーション)分野では、特に自動車部品や電子関連機器における部品レベルでのトレーサビリティ用途において、小さなサイズに多くの情報を表示することができる、2次元コードでの管理が主流となっています。
そのため、コードを読み取るスキャナにおいては、小形コードへの対応に加え、安定した読み取りを実現する外部照明の設置スペースを確保するため、読み取り距離が100mm程度求められるケースも増えています。
しかし、従来の汎用的な2次元コードスキャナではこの距離に対応できないため、読み取りの度にスキャナを動かしたり、オートフォーカス機能を持った高額な製品を使用したりする必要がありました。
こういった市場ニーズにお応えするため、IDECは最大150mmの距離からでも小さなコードを確実に読み取ることができる、コンパクトで高性能な製品を開発しました。
FA分野以外では、医療分野における医療分析装置の需要も年々増加していることから、装置の小形化や情報管理量の増加に伴い、小形の2次元コードスキャナの需要拡大が見込まれます。
特長
- 50mmから最大150mmの距離まで対応し、小さなコード(最小分解能0.127mm)も読み取り可能
- 長深度読み取り(150mm)により外部照明の設置自由度が高く、読み取り性能の向上を実現
- 1.2メガピクセルの高画素CMOSセンサを搭載したコンパクトなスキャナで、小形装置への組み込みに最適
- オートチューニング機能により、コードの読み取りに最適なパラメータを自動的に調整
- 読み取りエラー時に画像を保存する機能を搭載し、エラー内容の分析が可能
- Ethernet通信に対応した専用通信ユニット(WB9Z形)を用意(別売)
主なターゲット業界と用途
- 自動車業界 (重要部品のトレーサビリティ)
- 電子関連機器 (半導体製造装置、搬送装置など)
- 医療業界 (血液分析装置、検体搬送装置など)
- 3品業界 (食品・化粧品・医薬品業界における包装関連の印字機械や検査機など)
仕様
用語解説:2次元コード
2次元コードとは水平方向と垂直方向に情報を持つコードのことで、水平方向にしか情報を持たないバーコード(1次元コード)に比べてより多くの情報量を、小さなサイズで表示することができます。代表的なものとして、QR CodeやDataMatrixなどがあります。