IoT/M2Mを推進する新たなプラットフォームの提案—アルゴシステム


情報化時代のニーズに応え、高速携帯通信LTE対応・無線LAN/Bluetooth対応・UPS(無停電電源)標準内蔵の産業用PC及びコントローラー
IoT/M2M時代のプラットフォーム
近年インターネットの普及により、「ヒト、モノ、コト」をつなげるIoT/M2Mが進みつつあり、大きな変化が起きています。製造現場においては、プログラマブルコントローラーを中核とした制御システムでは構築が難しいシステムの要求が日々上がってきており、単純に制御する時代から、情報を中心とした統合相互制御システムへの進化が求められています。
当社では、IoT/M2Mに対応したコントローラーとして、新たなプラットフォームとソリューションを提案しています。
次世代産業用PCの方向性
IoT/M2Mを推進する上で、産業用PCのニーズが大きく2極化しています。 ひとつめは、現場で制御や情報処理などを行う、Intel社製x86系CPU、Windowsを搭載したハイパフォーマンスな産業用PCニーズです。ふたつめは、情報端末、ゲートウェイなどの用途向けで、タブレット、スマートフォンに採用されているARM 系CPUを用いた産業用PCニーズです。
当社では、この二つの要求に対応できる産業用PCを計61機種ラインアップしており、組込みボックス型PC向けにはタッチパネルモニター(AT4Aシリーズ)5機種も用意し、用途に応じて幅広くご選択いただけます。
IoT/M2Mを推進するポイント
本格的なIoT/M2Mの時代となっても、現場での産業用PCへのニーズは、RAS機能をはじめ、耐環境性能や長期安定稼働などベースとなるニーズは変わっていません。大きな違いは、クラウドをはじめとするネットワーク利活用の要求です。
oT/M2Mでは、現場の情報を高速かつ正確に上位に伝える情報品質の担保が求められてきます。当社はネットワーク機能を強化し、有線LAN、無線LAN/Bluetooth(オプション)、さらに高速携帯通信LTE(オプション)にも対応しました。
こうした機能を付加することで、停電時やセキュリティの問題で構内ネットワークに接続できない場合や、インターネット環境がない場所でも、直接クラウドシステムと接続可能です。
また、標準内蔵UPS(無停電電源)機能により、停電が起きても、停電前のデータはもちろん停電の瞬間のデータまで保持し、クラウドサーバーへ直接アップロードをおこなってから、正常にシャットダウンをおこなうことができます。こうした情報品質へのこだわりは、今後ますますニーズが高まると考えられています。
IoT/M2Mを推進する新たなプラットフォーム
ソフトウェアのキーファクター
AI3ソリューションパッケージ
当社では、産業用PCのハードウェア提供だけにとどまらず、AI3ソリューションパッケージとして、現場に必要とされる機能をまとめたソフトパッケージ搭載モデルをラインアップしています。
AI3ソリューションパッケージとは、Windows10 IoT EnterpriseにリアルタイムOS「INtime」を併用した産業用PC1台で「操作・表示・データロギング・I/O制御・多軸同期モーション制御・画像処理」機能を搭載したオールインワンコントローラーです。
また、高機能表示器としてPLCと接続し、現場設備の統合監視管理ができる「操作・表示・データロギング」機能を搭載したラインアップも用意しています(下図参照)。
AI3ソリューションパッケージの概念図
ALGOのクラウドソリューション
現在、IoTを活用した予知保全、リモートメンテナンスなどへのニーズはますます高まっています。
当社では前述の高速携帯通信LTE対応の産業用PCを現場とクラウドシステム間のゲートウェイに使用し、データの収集、蓄積、分析を行うことで予知保全、リモートメンテナンスを実現するクラウドソリューションを提供しています。
通信にはLTEを採用し、めんどうな配線工事も不要、セキュリティ面における信頼性も高めています。クラウドシステムでの分析データはダッシュボード化され、現場の産業用PCやタブレットでいつでも確認でき、異常検知の際はアラームで通知されます。
クラウドソリューションのイメージ
IoT/M2Mに必須のエッジコンピューティング
クラウドシステムで分析された予知保全データの閾値は、現場コントローラーにフィードバックされ、より現場側(エッジ)での処理が求められます。特にデータ量が多く、リアルタイム性を要求されるマシン制御やM2Mの様な分野では必須となります。従来のPLCではデータの収集は行えても、そのデータ処理にはCPUパワーが足りず、現場でのエッジコンピューティングを実現するには、産業用PCが必須となっています。
前述の当社オールインワンコントローラーは産業用PCベースでマルチコアを採用し、データ収集機能を含む各種制御ソリューションパッケージ搭載コントローラーであり、マルチコア戦略を進めるインテル株式会社からも、エッジデバイスに最適としてIoT Japanのプレス発表で紹介されています。
さらに、当社のオールインワンコントローラーでは、製造過程で得られる各種データをフィルタリングや変換して上位サーバーへのアップロードも可能であり、設備予防保全や生産効率化に必要なデータの配信も行うことができます。
エッジコンピューティングのイメージ
おわりに
昨今、汎用PCベースで動作するAIやディープラーニングなどのパッケージソフトも出現しています。今後は、現場側(エッジ)のコントローラーにはこのようなパッケージが搭載され、より高度なエッジコンピューティングが求められてくるでしょう。このようなIoT/M2Mの流れの中で、製造現場における制御機器の主役の座はPLCから産業用PCへと変わろうとしています。
当社は、今後も情報化時代のニーズを先取りし、IoT/M2M推進の一翼を担い、皆様のシステム構築に貢献できればと考えております。