2025年05月07日

MWB-05FMN-EW ミリ波センサ｜北陽電機

この記事は北陽電機株式会社の情報です。

MWB-05FMN-EWは、77～81GHzのミリ波(電波)を利用したセンサ（RADAR）です。ミリ波を利用しているため、雨・雪・霧などの屋外環境に影響されずに、対象物を検知することが可能で、屋外で利用する自動搬送台車や建設機械などの周辺の障害物検知用途に最適です。

ミリ波センサの検出原理と検出範囲

ミリ波とは

波長が1㎜～10㎜、周波数が30GHz～300GHzの範囲にある電波のことを指します。一般的な電波と比べて、ミリ波は直進性が高いことが特徴です。そのため、水分量が比較的に少ない水蒸気や霧、また粉塵などを透過する性質を持っています。MWBは、周波数77GHz～81GHz。（帯域幅4GHz）高周波の方が、帯域幅が広くなり、距離分解能が細かくなります。

図1.ミリ波とは

検出原理

FMCW方式を採用しております。送信アンテナから、のこぎり波状に周波数を変動させながら電波を送信し、受信アンテナが周波数の変化を受信。その変化の差から検知対象物の座標・距離・速度・方位を演算することができます。送信アンテナよりリニアに周波数を変化させていることから、距離精度が向上し、動いているものと動いていないものを判別することができます。

図2.検出原理

検出範囲

水平方向：90°、垂直方向：50°、検出距離：5m、3次元での検出が可能です。

図3.検出範囲

他方式との比較

図4.ミリ波センサとAIカメラ、ミリ波センサとLiDAR比較

ミリ波センサとAIカメラ

AIカメラでは、夜間時の暗い場面では検出が難しく、障害物検知で使用する場合は、別途画像・学習処理が必要でしたが、ミリ波センサは、自ら電波を送信しているため、使用環境の明るさに関係なく検出可能です。さらに北陽電機製の強みとして、無料アプリケーションを使用したエリア設定によって、障害物検知の用途でも使用できます。

ミリ波センサとLiDAR

LiDARの場合、北陽電機製には屋外仕様もありますが、雨・霧などの天候、また粉塵の舞う環境下では、レーザが遮られ、誤検知の可能性がありましたが、ミリ波センサの電波は、直進性が高く、粉塵・水滴・霧を透過するため、天候の影響を受けず、誤検知を防ぐことが可能です。LiDARを屋外で使用する際に、発生していた誤検知を減らすことができます。

表1.他方式との比較

北陽電機のミリ波センサの強み

北陽電機のミリ波センサの強みは、専用アプリケーションを使用して、3次元の検出範囲内にエリアを設定することができる点です。エリア内に人やモノが侵入した場合、検知出力を出すことができます。エリア数は最大3つまで設定可能で、入力線を使用することで、7パターンのエリアを切り替えることもできます。

ミリ波デザイナー

図5.専用アプリケーション「ミリ波デザイナー」

専用アプリケーション「ミリ波デザイナー」では、

2Dの画面にて、エリア設定+サイドビューで高さ方向も設定可能
四角形でのエリア設定可能
モニター画面上では、検出物は点で表示される
悪環境下での使用を想定したフィルタ機能あり

：アプリケーションは、弊社HP各種ダウンロード項目にて無料ダウンロード可能
：空間フィルタとは、設定した範囲外を検知しないようにすることができ、範囲内に検出対象物が入ったときはグレーの点で表示されます。出力用エリアに余裕を持たせる用途で使用可能です。
：アプリケーションのデザインは、アップデートにより随時変更する可能性がございますので、ご了承ください。