生産計画を達成するための状態監視|バルーフ


センサーデバイスからネットワーク技術までの一貫したソリューション
バルーフはセンサー技術を中心にしたオートメーションのソリューションプロバイダーです。IoTやIndustry4.0が叫ばれる以前からIO-Linkに注目し、いち早くセンサー情報のデジタル化に取り組んできました。そのバルーフが、近年要求の増えている製造現場の状態監視について、どのようにセンサー/ネットワーク技術で応えるかをご紹介いたします。
バルーフが目指す状態監視
製造現場にとって、定められた生産量を達成することは最も大きな使命です。そのためには、可能な限り突発的なダウンタイムや不良品の製造を防ぐことが大きな課題となります。この課題を解決するためには、継続的に個々の製造装置や現場の状態を監視することが必要と考えます。
明確に判断できるデバイスの障害
IO-Linkデバイスによる識別と自己診断
たった1つの安価なセンサーの故障でも、製造装置は停止します。装置に搭載されている無数のセンサーの中から障害になったものを探し出し、交換することは大変な労力と時間を要します。そのため、長期間のダウンタイムが発生する恐れがあります。
これを解決するのがIO-Link対応のデバイスです。IO-Linkのデバイスは個別の識別情報と固有の診断機能を持っています。これにより、「どこの」、「どのデバイス」が、「どのような原因」で停止しているかを遠隔で確認することができます。さらに内部ファームウェアのバージョンも取得できるので、完璧な交換品を予め準備して現場へ行くことができます。このため、調査の時間がなくなり装置のダウンタイムを大幅に削減できます。
デバイス内部の診断で予兆保全
IO-Linkデバイスの中にはデバイス内部の情報を提供するものがあります。バルーフのIO-Link対応マルチファンクション光電センサーBOS 21M ADCAPは受光量だけでなく、投光用LEDのパワーを情報として提供します。
また、IO-Link対応高機能パワーサプライ Heartbeat®は、稼働時間や電気的負荷レベル、内部コンデンサーの温度をIO-Link経由で伝達します。しかも、このパワーサプライはこれらのデータを内部解析し、具体的な耐用年数をIO-Link経由で伝送します。
これらのIO-Linkが創出する情報はデバイスの適切な交換時期を示します。つまり、この情報を継続的に監視することによりデバイス自身の予兆保全が可能となります。
生産装置の動作を把握するプロセス監視
状態監視のアナログデータを安価に収集
装置が正常に動作を把握するためには、さまざまなプロセス情報を監視することが不可欠です。とくに、装置で使用されている媒体のレベル管理や圧力、流量、温度は、動作品質に関わります。装置によっては、製品の品質にも影響が出るでしょう。そのため、これらの情報をデータとして収集することは非常に重要です。しかし、それらのアナログデータをコントローラーへ送るためには、ノイズ対策のためのシールドケーブルの用意やその取り回し、電流や電圧など信号ごとに追加しなければならないインターフェースカードなど、多大な労力とコストが要求されます。
バルーフのIO-Link対応アナログハブに搭載された各ポートは、電流、電圧、熱電対の入力を個別に設定することができ、IO-Linkによるデジタル通信で最大8個のアナログ信号を最大16bitの分解能により安定してコントローラーへ伝送します。これにより、高価なアナログカードを削減し、必要と手間のかかるノイズ対策が不要となります。
エアシリンダーのアナログ監視
可動部の位置管理も装置の状態監視に必要な情報です。とくにエアシリンダーは空圧で駆動するその原理により、位置を監視することは困難でした。しかし、これを監視すれば、劣化によるエア漏れを予兆保全できます。
バルーフの磁気式ポジショニングシステムBMPはエアシリンダーのマグネットの位置をアナログ出力します。IP67対応のこのセンサーは、カバーを必要とせず、エアシリンダーのスロット形状に合わせてアダプターを選べば、既存のエアシリンダーへ直接取付けられます。追加のポインターや加工、専用アンプなどは必要ありません。IO-Linkインターフェースを備えたこのセンサーは、アナログ信号の他に個別にティーチングできる接点信号を最大で4点設定できます。これにより、前進端/後退端を即座に判断できます。
装置の状態監視情報を直接ITレベルへ
JSONで送るIO-Linkの状態監視データ
従来、生産装置に搭載されたセンサーは全て装置の制御用コントローラーを通さなければいけないと考えられてきました。そのため、既設の装置に現場の状態監視情報を取り込むためのラダープログラムを追加し、SCADAやITのシステムは制御用コントローラーからデータを取得するプログラムを作成しなければなりません。しかし、制御用コントローラーは装置の制御を行いながら、自身に必要のないデータを扱わなければなりません。また、SCADAやIT側も制御コントローラーの種類ごとにプログラムを作成しなければなりません。これは、とても効率が悪くコストのかかる提案となります。
バルーフのEthernet/IPとPROFINET対応のIO-Linkゲートウェイを用いれば、UDP/IP経由でITレベルからIO-LinkのデータをJSON形式で取得できます。これにより、制御用のプロセスデータは制御用コントローラーへ送られ、装置や現場の状態監視情報はITレベルから直接取得できます。この機能は、SCADAやITレベルに限らず、スタンドアロンのPCでも活用できます。つまり、まずはPCで取得したデータを机上で解析し、データの有効性を確認した後にシステムへ機能を組み込む、スモールスタートも可能です。バルーフ自身もこの機能をドイツやハンガリーの工場に応用し、BIツールで製造現場の状態監視を行っています。
このようにバルーフは、過酷な産業環境に対応・使用でき、さまざまな情報を提供するデバイスから、上位へその情報を提供するネットワーク技術まで、一貫したソリューションを提供できます。さらなる状態監視のソリューションについては、バルーフのウェブサイトにある状態監視のコンテンツをご覧ください。
関連リンク(バルーフWebサイト)

