AirGRID(エアグリッド)で設備稼働データをワイヤレスで自動収集、生産改善につながるデータ分析


IoT活用の期待感は高まる一方ですが、お客様からは、
- トップからIoTの導入を指示されたが何から始めてよいのか分からない。目的を明確にしたい。
- 年式、メーカーがバラバラの設備が混在してデータの収集ができない。設備の問題を解決したい。
- 本格的なIoTに取り組むには膨大なコストと時間がかかり、大規模なプロジェクトになる。現実的なコストに納めたい。
- ベンダーから最先端ソリューションを提案されるが、一足飛びにそこまでは行けない。ステップを踏んで対応したい。
というお声をよく耳にします。
そこで、複雑な設備の稼働状態をありのままに写し出す簡単なIoTソリューションとして、設備、メーカー、年式を問わず稼働データを簡単に収集できるパトライト社のAirGRID WDシリーズをご提案します。
知らせる信号灯から、記録する信号灯へ
AirGRIDは、パトライト社製 信号灯に取り付けるだけ※で、機器情報が無線で転送されるシステムです。取得データをもとに、生産工程のボトルネック改善など、お客様の目的にあった様々な情報活用が可能になります。
また国際標準通信規格を採用した安心で確実な無線通信は複数台の同時運用でも安心の通信精度を誇ります。
※信号灯上部キャップを外して内部のネジを使って固定する簡単取り付けです。 送信機の電源供給用に信号線のうち1 本を使用します。
AirGRID WDシリーズの特長
送信機
配線工事不要&レイアウトフリーを可能にした安心のワイヤレス通信システム
信号灯に取り付けた送信機から動作情報をワイヤレスで受信機に転送するため面倒な配線工事がなく、導入コストも軽減できます。 国際標準通信規格を利用した無線は、電波状況に応じて最適な通信ルートを確保する等無線通信の補完機能を備え、様々な電気信号が飛び交う現場でも安定した通信が可能です。
ワイヤレス通信システム
フレキシブルな通信を実現するマルチホップ・メッシュネットワーク
送信機同士が相互にデータ通信を行うことで、電波状態の良いルートを選択してネットワーク通信を行います。
設備のレイアウト変更等でも、電源投入時に接続状態の良い送信機同士がデータ通信を自動的に開始し、新たにネットワーク構築を行います。
現場の状況に応じたフレキシブルな無線通信ができるのが、「マルチホップ・メッシュネットワーク」です。
不要なホッピングを減らし処理の安定性を向上
マルチホップを必要としない送信機に対して、送信機の中継(ホッピング)を禁止することができます。各送信機の中継許可、禁止を設定することで、不要なホッピングを減らすことができます。
※すべての送信機を中継禁止に設定した場合、受信機に接続可能な台数は最大20 台となります。
最適な通信経路を自動選択するルーティング機能
複雑な無線やネットワークの設定をしなくても、電源投入するだけで通信状態の良い接続先を自動的に選択し、最適な経路で無線通信を行うようネットワークを構築します。
また、運用中に無線障害等で通信ができなくなった場合、送信機は自動的に別の接続先を検索し再接続を行います。
ラインアップ
ここで、AirGRID WDシリーズのラインアップをご紹介します。
アプリケーション連携、設備稼働データの活用方法
それぞれのシステム構築においては別途機材等が必要な場合があり、お客様ごとにお打合せをさせていただき、最適なシステムをご提案させていただきます。
1. WD連携パートナー様パッケージソフトを利用
WD連携パートナー様ソフトを利用することで、短時間で運用開始できます。
連携パートナー一覧
アプリケーション連携の例をいくつかご紹介いたします。
例1:ガントチャートシステム
- 稼動状況を時間軸の視点でビジュアル的に捉えることで、改善できるポイントが見えてきます。
- 装置の動かし方や、スタッフの配置等に改善の余地がないか、ガントチャートならではのヒントを見つけることができます。
例2:アンドンシステム
- 大型液晶モニターを使って、現場状況を「見える化」することで現場の状況を把握できるようになります。
- 夜間などスタッフが少ない現場で効果を発揮します。
- 音声メッセージの出力も可能です。
- 現場だけでなく、Ethernet環境下であれば、事務所や詰め所にアンドンを設置することが可能です。
例3:生産管理システム
- 生産の進捗をリアルタイムに把握することで、遅れているラインの早期フォローが可能になります。
- 時間あたりの生産高を記録するシステムの構築も可能です。
- 事務所でモニターするだけでなく、現場にモニター設置することで、作業者もペースを把握しやすくなります。
- 組立てラインでは、タクトタイムの把握やペースメイクの仕組みを構築できます。
2. お客様にて分析・集計などのアプリケーションを自社開発する
- パトライト社アプリケーションWDS-AUT02で設備稼働CSVログデータを活用する方法
- WDS-AUT02を利用せず、パソコンなどで受信機からのパケットデータを直接受信する方法
※ソケット通信資料は、パトライト社、または高木商会営業へお問い合わせください。 - パソコンを利用せず、PLCで受信機からのパケットデータを直接受信する方法
※PLCのWD通信サンプルプログラムについては、パトライト社、または高木商会営業へお問い合わせください。
ソリューション提案事例
設備稼働データ収集の自動化、ガントチャート表示・集計・分析
お客様の課題
- 手書き日報のデータ入力や分析、資料作成等が手間になっている。
- 稼働率の実態や生産性が分からないので、個人能力任せの運用になっている。
- 作業員への指導や教育で改善を狙っているが、改善効果を数値化できない為、客観的な改善の分析・評価が行えていない。
- 夜間や休日の自動稼働時間が把握できない。
導入効果
- 設備稼働情報を常に自動収集できるので、手入力作業の低減と分析データの抽出が容易になり、効率アップが見込めます。
- 情報収集の分析から工程のボトルネックを発見し、設備工程の改善が行えます。
- 数値化された分析結果から作業者の具体的な改善教育が実施でき、作業者の意識向上につながります。
- チョコ停傾向を把握してドカ停予防策を講じ、生産性の低下を未然に予防します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
パトライト社製の信号灯を活用して、設備、メーカー、年式を問わず稼働データを簡単に収集できるという点が、AirGRIDによるIoTソリューションのポイントです。複雑な設備の稼働状況を写し出す仕組みの一つとして、改善活動に是非ご検討ください。
出典
※株式会社パトライト カタログAirGRID WDシリーズ「パトライトの簡単IoTソリューションvol.3」S-AF04B 1612(NP)B
※株式会社パトライト Webサイト「パトライトのものづくりソリューション」製品情報
エアグリッドWD-Z2型